14 Nov 2017

整腸作用やダイエットサポートに効果があるとして、人気を集めている植物性乳酸菌。
じつは私たち日本人にとって、とても身近な食材に多く含まれているんです。
今回は植物性乳酸菌の特徴や効果、摂り方について見ていきましょう。
目次だよ
植物性乳酸菌とは
その名前から乳製品に含まれるものというイメージがありますが、それだけでなく人間や動物の腸内や植物など多様な場所に生きています。
乳酸菌は、
・乳のみを栄養源にして育つ動物性乳酸菌
・植物を栄養源にして育つ植物性乳酸菌
に分けることができます。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違い
私たちに馴染み深い乳酸菌といえば、ヨーグルトやチーズではないでしょうか?
このように動物の乳に含まれる乳糖で育つのが動物性乳酸菌です。
ほかのところではバランスが崩れて生きていけないため、摂取しても胃や腸まで生きたまま届くことはありません。
一方の植物性乳酸菌は、野菜・米・豆などの植物をエサに育ちます。
ほかの菌とも共生でき、塩分や糖分のバランスが多少崩れても生きていける丈夫さが特徴です。
植物性乳酸菌の特徴とメリット
動物性乳酸菌と比べると、さまざまな種類の食品に棲息している植物性乳酸菌。
最大の特徴は、「生きたまま腸に届く」ということです。
このフレーズ、ヨーグルトやサプリメントでよく目にしませんか?
環境の変化に強く丈夫な植物性乳酸菌は、胃酸や胆汁酸などの影響を受けません。
生きたまま腸までたどりつくと、悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
植物性乳酸菌が含まれる食材は?
では、植物性乳酸菌が含まれる食材には何があるのでしょうか?
・味噌
・醤油
・ぬか漬け
・漬物
・日本酒
・納豆
・キムチ
・ピクルス
・ザワークラウト
このように、日本で昔から多く食べられている、いわゆる発酵食品と呼ばれるものが中心です。
特に漬物は日本では非常に種類が多く、現在まで長く食べ続けられている食材。
韓国のキムチやドイツのザワークラウトなども、その国で発達した発酵食品のひとつですね。
これらの食材がもつ独特の風味こそが、乳酸菌が作り出しているものなのです。
日本人の体に合っている!
日本人と植物性乳酸菌との関わりは、縄文時代にまでさかのぼります。
当時から食品を長く保存するための知恵として、発酵が行われていました。
動物性乳酸菌による発酵が行われているのはここ100年ほどのことなので、その歴史には大きな違いがあります。
日本人は昔から味噌や醤油、漬物、酒などを多く摂取してきました。
そのため、日常的に植物性乳酸菌を摂取する機会が多かったのです。
また、野菜が中心の食生活の時代が長かったことから、日本人の腸は欧米人に比べると2メートルほど長くなっています。
その分腸内で活動できる時間も長くなるため、植物性乳酸菌との相性がいいと考えられます。
取り入れやすい
動物性乳酸菌は環境の変化に左右されやすく、チーズやヨーグルトを自作しようと思っても難しいのが難点。
それに比べて、植物性乳酸菌は普段の食事から取り入れやすいのがメリットです。
ほかの菌と混ざったり、加熱したり、塩分や糖分のバランスが多少崩れたりしても、植物性乳酸菌は生きていけるからです。
また、植物由来であることから低脂肪・低カロリーであることもうれしいポイントです。
植物性乳酸菌の効果とは
では、植物性乳酸菌を摂ることでどのような効果が得られるのかを見ていきましょう。
整腸作用
お腹を壊しやすい人や消化不良を起こしやすい人、便秘がちな人には、植物性乳酸菌が効果を発揮します。
生きたまま腸にとどくことで腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えてくれます。
腸内環境が整うことで、腸が本来のはたらきを取り戻し、下痢や便秘などのトラブルの改善に効果的です。
乳酸菌が作り出す酸が腸を刺激してぜん動運動を活性化させる効果もあります。
また、漬物のように野菜と一緒に摂ると、食物繊維も摂ることができます。
食物繊維はお通じをよくするだけでなく、善玉菌であるビフィズス菌のエサとなってくれるため、より高い効果が見込めるでしょう。
免疫力アップ
腸にはたくさんの免疫細胞が集まり、免疫系を形成しています。
腸内機能が活性化することで免疫力もアップし、
・風邪をひきにくくなる
・アレルギーの改善
などに効果的です。
美肌効果
便秘になると、肌荒れやニキビが出ることがありませんか?
このように、腸と肌の状態は深く関係しています。
胃腸の働きが活性化すると、栄養分がしっかりと肌まで届き、
・美肌効果
・ニキビの改善
に効果が期待できます。
抗アレルギー作用
腸内環境の改善は、アレルギー対策にも役立ちます。
アレルギー症状は異物と免疫細胞が戦っている状態です。
これを見張っている細胞を活性化させるのが乳酸菌の役割。
つらいアレルギー症状を抑えるのに一役買ってくれます。
ダイエットをサポートする
腸内環境が整えば、栄養の吸収もスムーズに行われます。
すると基礎代謝が高まり、痩せやすい体になると考えられるのです。
また、乳酸菌の種類によっては内臓脂肪を落とす効果があるものもあります。
コレステロール値を下げる
乳酸菌は、コレステロールで作られる胆汁酸にくっついて体外への排出を促すほか、コレステロールを分解して腸で吸収されにくくする役割があります。
これによってコレステロール値を下げ、メタボや病気の予防にも役立つのです。
気分の落ち込みや鬱の予防
腸内環境は、気分の落ち込みや鬱にも関係しています。
幸せホルモンと言われるセロトニンや、やる気のもとになるドーパミンは、腸で合成されます。
そのため、腸内機能のアップは鬱の予防にもなるのです。
また、乳酸菌はストレスホルモンの増加を抑える働きももっています。
植物性乳酸菌の上手な摂り方
最後に、植物性乳酸菌の上手な摂り方をご紹介していきましょう。
バランスよく摂る
環境の変化に弱く、腸に届くころには死滅している動物性乳酸菌ですが、まったく役に立たないわけではありません。
死滅した動物性乳酸菌は、そのまま植物性乳酸菌のエサになるからです。
また、発酵食品は1種類だけを多く摂るよりも、3種類以上を混ぜて摂るほうが効果的です。
そのため、植物性乳酸菌を意識して摂るのはもちろんのこと、チーズやヨーグルトなどの動物性乳酸菌も一緒に摂るようにしましょう。
和食を食べる
味噌汁、漬物、醤油をかけた納豆ご飯。
昔ながらの日本人の食卓にある風景ですが、このような和食こそが植物性乳酸菌の宝庫です。
洋食もいいですが、1日1回はこのような和食メニューを取り入れたいですね。
ただし、これらの食材はすべて塩分が多いため、食べすぎには注意が必要です。
自分に合うものを見つけよう
乳酸菌と一口にいっても、
・ラブレ菌
・ガセリ菌
・ブルガリクス菌
などたくさんの種類があります。
そのため、体質によって合う菌・合わない菌というものも存在します。
食べ物でもサプリメントでも、取り入れる際は一定期間食べ続けて、自分に効果があるかどうかを見極めることが大切です。
植物性乳酸菌を活用しよう
普段食べている身近な食材に多く含まれ、摂取しやすい植物性乳酸菌。
おいしく食べて健康になれるなんてうれしいですよね。
特にに腸内環境を整えたい!という人は、ヨーグルトなどの動物性乳酸菌と植物性乳酸菌をバランスよく摂取するのがおすすめですよ。